■早春の里山を彩る「カタクリの花」
■学 名 Erythronium japonicum
■分 類 ユリ科カタクリ属
■生息地 北海道から九州に分布。山地の林内に生える。
この花はユリ科の植物で
『スプリングエフェメラル』
【spring ephemeral】(春の妖精)のひとつに数えられています。
スプリングエフェメラルとは、春の日当たりのよい時期に花を咲かせて
間もなくしぼんでしまう”春のはかない短命の植物”という意味です。
葛城山山頂では、
『自然研究路』
などに群生しています。
雪解けを待ち兼ねたかのように、明るい紫色の花を、早春の落葉広葉樹林の林床一面に咲かせます。
種子には
『カルンクル』
と呼ばれる部分があり、蟻がこの部分を好み(アリが好む臭いがある)、
巣の中にタネを運んで芽が出るといいます。花が咲くには発芽してから二枚葉になり
7・8年経たないと咲かないそうです。根は地中に深く、掘りあげることは困難です。
昔は地下茎から澱粉(でんぷん)を取りましたが、手間隙が掛かるため現在は行われていません。
珍しい
『白い色のカタクリ』
に出逢う確率は諸説あり、0.01%~0.001%とされています。
気温が上昇すれば、花が開き、雨でも降れば、閉じてしまう習性。
そんなカタクリの花の開花を待ちわびた
『ギフチョウ』も、
午前中の気温の上昇に合わせてヒラヒラと舞い始めました。
関西では有数の
『カタクリ』
の名所。しかし、以前よりかは、かなり規模が衰退しているといいます。
この『カタクリ』の一年目の幼い芽を
見たことはありますか?。糸のような、高さわずか10センチ。これを知らず知らず、
登山者が踏みつけています。
『自然研究路』
などにはロープが
張っていますので、中には立ち入らないようにしましょう。葉や花を踏まなければ良いというわけではありません。
『ロープにて人の進入をさえぎっている理由』は、この幼い芽を守るためでもあるのです。
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